2012年 02月02日(Thu) [長年日記]
_ [長文ネタ]節分と豆と恵方巻
「鬼は外ー! 鬼は外ー!」
「痛い痛い! いきなり何をする!」
「いや明日は節分でしょ。豆まきしようと思って。」
「明日やれよ、明日。」
「鬼は外ー! 鬼は外ー!」
「痛い痛い! 話を聞けよ! 大体何で『鬼は外』だけなんだ。『福は内』はどうした。」
「いや『福は内』と言いながら鬼に豆ぶつけたら変じゃないですか。」
「俺は鬼じゃねーよ。っていうか豆をぶつけたいだけかよ。」
「しかし最近は節分が近づくと『恵方巻の予約始めました』みたいなのぼりがあちこちに立つようになりましたね。」
「唐突に話題を変えたな。まあ確かにここ数年でだいぶ増えたか。あんな関西の一地方の風習を全国に広めようとは商魂逞しいとしか……。」
「またそんな事言って。まあバレンタインみたいに定着しそうですけどね。」
「ところで節分って年4回あるの知ってるか?」
「え? どういうことです?」
「もともと節分ってのは各季節の始まりの日の前日を意味する言葉なんだよ。だから夏にも秋にも節分はある。」
「へぇー。じゃあ『夏の恵方巻』とか『秋の恵方巻』とかもありって事ですか?」
「冗談じゃなく本当にやってる店もあるぞ。ここまで来ると少し呆れてしまうけどな。」
「そういえば今気づいたんですが、自分恵方巻を食べたことありません。」
「俺も無いな。」
「そもそも恵方巻買っていざ食べようとしたら、絶対恵方の方向が分からなくて困惑してますよ。」
「それぐらいは調べろよ。あーでも調べても方位磁針とか持ってないとちゃんとした方向分からないか。」
「結局テレビでも見ながら適当に食べてる図しか思い浮かびませんね。」
「情緒の無いこと甚だしいな。」
「鬼は外ー! 鬼は外ー!」
「痛い痛い! 急に再開するな! 大体何で大豆なんだ。」
「え? 節分の豆と言ったら大豆でしょ?」
「何を言っている。北海道とか九州の南の方とかだと落花生を撒くのだぞ。しかも殻ごと。」
「……ここは北海道でも九州でもありませんが。」
「何を言う。落花生だとあとで拾って食べれるんだぞ。殻を剥けば良いから。わりと合理的だろう。」
「おや、確かにそうですね。へぇそんな風習もあるんですね。」
「ちなみに歳の数だけ食べる時は殻でカウントするので、歳をとった大人がやると物凄い量の豆を食べさせられるんだけどな。」
「うわぁ。……まあ自分は毎年17個で固定ですけど。」
「どこの17歳教だ。」