2009年 04月14日(Tue) [長年日記]
_ [ライトノベル][どろぼうの名人][いたいけな主人][中里十][小学館]いたいけな主人(中里十/小学館)
以前紹介したどろぼうの名人のサイドストーリーという位置付けの作品。書下ろしではなくて、中里氏がブログで連載していた小説およびそれをまとめて完成させた同人誌「1492」が大本。
一言で言うと毒だった。しかも甘美な類の。少しずつちびちびと舐めるように毎日十数ページずつ読んでいた。その事を知人に言ったら「アルコール度数の高い酒みたいだな」と言われた。まあ毒でも酒でも少量ずつしか摂取できない点には変わりないかもしれず。
内容としてはどろぼうの名人と同じく百合メインのお話。でもどろぼうの名人はどちらかと言うとファンタジーな香りのする話だったんですが、こちらはもっとドロドロした愛の戦いの物語。
しかしこれライトノベルの皮を被っているものの、絶対にライトノベルじゃない別のものだよなぁ。いやもちろんラノベの定義について語るつもりもないし、ラノベの懐が十分に広い事は分かってるんだけど、それでもこの異質さはラノベの範疇から外れているように私には感じられる。
第一ラノベの主要読者層である中高生にこれ薦められるか? と言われたら首を横に振るしかない。というか自分が中高生の時にこれに出会っても投げ捨ててた可能性は低くないように思う。
じゃあどんな人に薦められるのか? って話もやっぱり難しい。相当人を選ぶような気がしてならない。そう考えるとやっぱりガガガ文庫ってカオスだな。って結論に至ったり。
今思い出したけど、千葉国では同性婚ができるって設定知らないと意図を把握しづらい会話のやり取りとかあるのがちょっと不親切かもとか思った。