2012年 06月15日(Fri) [長年日記]
_ [TCG][Chaos]一姫デッキを解説してみる
一姫旋風が止まらない。今年のBCFは現在、徳島、沖縄、札幌、博多、金沢、広島の6箇所が終了しているが、全国決勝への権利を手に入れた8人中6人が一姫デッキを使用していたと言えば、その異常さがわかるだろう。
というわけで今回はこれら6つのデッキ傾向を分析しつつ、一姫デッキの強さを考えてみたいと思う。
徳島 | 札幌 | 博多 | 金沢 | 広島1 | 広島2 | ||
GR-120 | 神の如き姉「風見 一姫」 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
GR-004 | ハッピー・メリーゴーランド「榊 由美子」 | 2 | 4 | 3 | 2 | 2 | 2 |
GR-006 | 軽くて重い女「周防 天音」 | 4 | |||||
GR-017 | その名の通り幸せに「小嶺 幸」 | 2 | |||||
GR-020 | 幼き日の約束「小嶺 幸」 | 1 | 1 | ||||
GR-021 | “水着”の「橘 千鶴」 | 1 | |||||
GR-023 | 真っ黄色のスポーツカー「JB」 | 2 | |||||
GR-034 | 滝園学園バスケ部「桜井 美冬」 | 1 | |||||
GR-102 | “メイド服”の「榊 由美子」 | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 | |
GR-103 | 意外な変化「榊 由美子」 | 1 | |||||
GR-106 | 拭い切れない不安「周防 天音」 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | |
GR-114 | 公園遊びの達人「小嶺 幸」 | 3 | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 |
GR-117 | 静かな理解者「橘 千鶴」 | 1 | 1 | ||||
GR-118 | 内気な恥じらい「JB」 | 1 | 2 | ||||
GR-119 | タクティシャン「JB」 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | |
GR-123 | 精神美「日下部 麻子」 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
GR-124 | 雄二の育て親「日下部 麻子」 | 3 | 1 | 2 | 2 | 2 | |
GR-125 | 無敵軍人「風見 雄二」 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
GR-T03 | 嘘ツンデレ「松嶋 みちる」 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | |
PR-192 | 木漏れ日の中で「周防 天音」 | 1 | |||||
GR-068 | 決死の抵抗 | 1 | |||||
GR-069 | 儚い懇願 | 1 | |||||
GR-075 | 束の間の安らぎ | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 |
GR-077 | 病室での決断 | 1 | |||||
GR-136 | 生まれた迷い | 1 | |||||
GR-137 | 動物園の片隅で | 3 | 2 | ||||
GR-138 | 冬デート | 4 | 3 | 2 | 4 | 3 | 3 |
GR-140 | トッピング全部乗せカレー | 1 | 1 | 2 | |||
GR-141 | 約束のリンゴの苗 | 1 | 1 | 1 | |||
GR-142 | 爆弾解除 | 2 | 1 | ||||
GR-T09 | おやすみ蒔菜 | 4 | 1 | 3 | 3 | 3 | |
GR-T11 | 煌く水面 | 2 | |||||
GR-T15 | 雨の中、寄り添うふたり | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
GR-093 | 赦しのチケット | 2 | |||||
GR-096 | 世界の補完「ニャンメル」 | 2 | |||||
GR-098 | エアライフル | 2 | |||||
GR-100 | あの日のプレゼント | 2 | 3 | 3 | |||
GR-143 | 料理教室 | 3 | 3 | 4 | 3 | 4 | |
GR-145 | 狙撃兵蒔菜 | 2 | 4 | 2 | 3 | 3 | |
GR-049 | 陽だまりの笑顔「小嶺 幸」 | 1 | |||||
GR-050 | “水着”の「周防 天音」&「榊 由美子」 | 3 | |||||
GR-051 | ツンデレとクーデレ「松嶋 みちる」&「榊 由美子」 | 2 | |||||
GR-053 | 逆らえない相手「小嶺 幸」&「榊 由美子」 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | |
GR-058 | “水着”で海へ「小嶺 幸」&「松嶋 みちる」 | 2 | 2 | 3 | 3 | ||
GR-127 | 料理が生んだ友情「周防 天音」&「榊 由美子」 | 4 | |||||
GR-129 | 切っても切れない腐れ縁「JB」&「日下部 麻子」 | 3 | 1 | 3 | 3 | 2 | 2 |
GR-130 | 旧知の間柄「橘 千鶴」&「風見 雄二」 | 1 | |||||
GR-133 | 未来を見据える「JB」 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
GR-135 | 先代“9029”「日下部 麻子」 | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 |
まずは採用カード一覧表から。ちなみにこの中で唯一札幌だけはタワー型と呼ばれるタイプの違うデッキである。残りの5つは全部焼き型と呼ばれるタイプのデッキで、細かい差異はあっても基本構成は同じとなる。
では、採用率、投入率の高いカードを順に見ていくことにしよう。
ちなみに採用率というのはデッキに1枚でも採用されていたらカウントされる指標で、投入率というのはデッキに4枚投入されていたら100%とみなす指標の事である。
- 神の如き姉「風見 一姫」
- 一姫デッキなんだから採用率、投入率100%なのは当たり前だがw
- そもそもバッキー効果自体が防御力高い上、メインドロー持ちで安定感がある。
- そして何故バトルドローつけたし。
- 公園遊びの達人「小嶺 幸」
- 採用率100%、投入率91.7%。リカバリー、全体焼きエクストラの種にして自らもリカバリー&ドローサポート。耐久も5あるので耐久4減にも耐えうる性能。
- また貫通メタ単体エクストラの種でもある。幸単体エキストラは札幌しか採用していないけど。
- 拭い切れない不安「周防 天音」
- 投入率83.3%だけど札幌を除けば100%に。
- 一姫に貫通を与えた上、一姫の能力でバトルドローできるようになるので、基本必須フレンド。
- ハッピー・メリーゴーランド「榊 由美子」
- “メイド服”の「榊 由美子」
- 投入率は両者合わせて100%となる。つまり能力よりも先に全体焼きエクストラの種としての役割がより重要という事を意味している。
- 草壁互換と貫通フレンド。どちらも欲しいので2枚ずつ入れているというレシピが多いようだ。
- 嘘ツンデレ「松嶋 みちる」
- 火力&リカバリー。そしてリカバリーもしくはツンクーの種。
- 札幌だけは入っていない。
- タクティシャン「JB」
- 投入率75%。リカバリーエクストラの種&麻子回収要員。以上。
- 無敵軍人「風見 雄二」
- 同じく投入率75%。ちなみに採用率100%。全員3枚投入。
- リカバリー&全体2/2上昇の強さは語るまでもない。
- 冬デート
- 採用率100%。投入率79.1%。まさに一姫デッキの肝となるイベント。
- 一姫デッキの安定した勝率はこのカードが担っていると言っても過言ではない。無くても一姫デッキが崩壊するわけではないが、これがあるからこそ防御が安定する。
- おやすみ蒔菜
- いわゆる凹む。
- 投入率58.3%。豊富な手札とリカバリー性能の高さから、3枚投入さえ珍しくなくなった。
- 束の間の安らぎ
- いわゆるうたたね。
- 採用率100%。投入率45.8%。特に同型対決では「由美子と仲良く」のようなレストガードが採用されていることは稀なので、かなり攻撃が通りやすい。まあ代わりに冬デートがあるけど。
- 料理教室
- いわゆるケータイ電話。
- 投入率70.8%。安定の強さ。
- 狙撃兵蒔菜
- 投入率58.3%。
- パートナーがほぼ貫通持ちなのにも関わらず、このセットの投入率が高いのは、一姫デッキ自体序盤~中盤に手札が余りがちになる点や、天音、水着の幸&みちるといったこのセットと相性の良いフレンドの存在が挙げられる。
- 切っても切れない腐れ縁「JB」&「日下部 麻子」
- 採用率100%。安定のリカバリーエクストラ。
ここまでが基本パーツと言って良いだろう。
次に焼き一姫に特徴的なパーツを見ていこう(札幌のタワー型はよく分からないので省略w)。
- 精神美「日下部 麻子」
- 全体3点焼き。永続上昇メタでもある。
- 登場コストが裏リバで手札コスト無く3点焼きがばら撒けるのはちょっと強すぎるのでは無いかと専らの噂。
- 先代“9029”「日下部 麻子」
- そして麻子は単体5点焼きにチェンジできるのだった。しかも手札コスト無しで。舐めんな。
- 全体3点→単体5点×2で相手パートナーがまず落とせる。
- 逆らえない相手「小嶺 幸」&「榊 由美子」
- 全体3点焼きももちろん入っている。
- 焼き一姫が増えた要因として、一姫デッキ自体に焼きメタがほぼ採用されていないという理由がある。何せ一姫デッキがまず何を警戒するかと言えば同じ一姫デッキなのだから。
とまあこんな所だろうか。つまり今の一姫デッキの特徴は
- パートナーが大型貫通
- 安定したドロー
- 豊富なリカバリー
- 豊富な火力
- 冬デートという鉄壁の防御力
という事になる。
もちろん完全に無敵というわけでは無い。冬デートは序盤に打てる防御カードでは無いため、速攻に負ける事も多々あるし、直ダメ美春のように攻撃の軸をシフトして、相手のリカバリー、防御力を無駄にさせるという手もある。デッキ自体が大量ドローを前提に構築されている部分があるので、サロメサンダーのようなドローメタでドローを封じてしまう戦略も有効だろう。
ただ現状のBCFに結果を見ている限り、一姫が一歩飛び抜けて強いデッキである事は間違いないようだ。果たしてここからどうバランスが変遷していくのか、興味深く見守っていこうと思う。